概要

計画地である糸満市真栄平は、標高約20~60mの緩やかな丘陵地に位置し、琉球石灰岩を主体とする地盤の上に形成された集落である。起伏のある自然の地形に沿って、家屋、ウージ畑や農地が広がり、本敷地はその一角に位置する。 施主ご家族は、フランス・東京・沖縄と異なる国、気候で生活された経験をもっており、特にフランスとは大きく異なる夏の湿気を伴う日中の暑さ、コンクリートの夕方の放熱による暑さ、年間を通して高い湿度、地球温暖化に伴う気温の上昇にどのように向き合った暮らしができるのか、関心をもたれていた。

ご要望をもとに議論を重ね、「省エネ性能の高い住まい」、「沖縄の気候風土に適した住まい」、「敷地の地理的特色を活かしたオープンに暮らせる住まい」の3つが本住宅の大きなテーマとして考えた。
敷地の特徴として、敷地内及び幅員4.0mの前面道路に沿った起伏がありの高低差が最大3.0m程度ある。また、周囲が開けており日中の日射を遮るものがないことから、特に南・南西側においては日射による住宅内への熱の影響を抑えることが求められた。

下記が本計画の特徴である。 ①住宅を主にガレージ(屋外倉庫等含む)・LDK・プライベートスペース(寝室・サニタリー等)の3つのブロックに分け、斜面に沿ってレイアウトすることで、建物のヴォリュームをコントロールした。 ②日射熱の影響が大きい南側の窓高さ・天井高さを抑え、北側の安定した日射環境を生かす計画とした。また、敷地北側は施主の所有地である芝生広場が広がっており農村地の風景を積極的に取り込む計画とした。南北の開口は夏の卓越風を取り込み空気の流れをつくる主開口ともなっている。 ③住宅の躯体(庇や遮熱壁)による遮熱、植栽及び樹木による遮熱、バッファーエリア(サニタリーを含む非居室)を設けることを中心とした遮熱計画とした。 ④住宅外壁面の断熱、床スラブ下の断熱により、コンクリートの急激な温度変化を抑えることで住宅内部の表面結露のリスクを低減する計画とした。 変化を続ける沖縄の気候において柔軟な暮らしができる住宅を目指した

設計監理 株式会社 アトリエセグエ
構造   黒岩構造設計事ム所
施工   有限会社 大繁建設
キッチン MOV
撮影   Alien design & photography 井田佳明